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韓国MagicEyes Digital,多機能3次元グラフィックLSI発売
アミューズメント機器やカーナビゲーションなど幅広い用途に向けて展開


ARM「920T」を中核に多彩なインタフェースやMPEG4ビデオ処理回路などを集積


マルチメディア機器向けシステムLSIを手掛ける韓国MagicEyes Digital Co., Ltd.が開発した3次元グラフィックスLSI「VRender3D(型名VR3511F)」が,多くの設計者の注目を集めている。グラフィックス処理システムに必要な基本機能のほとんどを1チップに集積したうえで,設計の最適化を図ることで徹底的に低価格を追求しているからだ。アーケード・ゲーム機をはじめとする据え置き型機器だけでなく,電池駆動の携帯機器まで幅広いシステムに展開できる。



図1 低価格を追求した3次元グラフィックLSI「VRender™3D」

 韓国MagicEyes Digital Co., Ltd.は,Samsung Electronics Co., Ltd.の半導体部門で研究開発に従事していたHae-Youn Shawn氏を中心に1997年に設立したベンチャー企業だ。CEOとCTOを兼任する同氏のほか,CMO,CFFやDirectorを務める同社の中核メンバー5人もSamsung Electronics社の半導体開発部門の出身である。モバイル機器,家庭用機器,アミューズメント機器をターゲットにシステムLSIを中心にしたソリューションを展開しており,独自のシステムLSI開発のほか,カスタムASICの設計やシステムLSIを中核にした「ポータブル・マルチメディア・プレーヤー」や「IPセットトップ・ボックス」などのシステム開発も手掛けている。

 同社のソリューションを支える独自開発のシステムLSIは,大きく2種類ある。一つは,映像や音声データの処理を得意とするマルチメディア・プロセッサ「MMSP?」。もう一つがグラフィック処理LSI「VRender™」である。家庭用ゲーム機などマルチメディア機能とグラフィック処理機能の両方を備えたシステム向けに開発したものだ。同LSIは,韓国や中国の市場においてアーケード・ゲーム機を中心に多くの実績を築いている。今回発売した製品「VRender™3D(型名VR3511F)」は,VRender™の第2世代品に当たる(図1)。従来品では2次元グラフィックスしか扱えなかったが,今回は3次元グラフィックスを扱えるようにした(図2)。


図2 3次元グラフィックスの例
システムの基本機能の大部分を1チップに

 VRender™3Dは,アミューズメント機器やカーナビゲーション・システムなどを狙って開発した製品である。マルチメディア・データとグラフィック・データを扱うために必要なシステムの基本機能のほとんどが集積されており,少ない部品点数でシステムを構成できる(図3)。このため据え置き型のシステムだけでなく小型薄型化を追求する携帯機器にも使える。MPEG4デコード機能を備えているので,グラフィック画面の一部を使って動画を再生するシステムを実現することも可能だ。しかも,注目すべきは,多彩な機能に対応できるシステムを搭載していながら,低価格で提供できることだ。日本では化合物半導体デバイスおよび応用装置などの開発と販売を手掛けるアクロラドが販売を担当する。「設計や製造プロセスの最適化を図ることで低価格を実現しました。ほぼ同機能の従来品に比べて約2割は価格を抑えることができたと見ています」(アクロラド営業部マネージャーの大塚一儀氏)。すでに量産対応も可能で,各種開発ツールも用意されている。


図3 VRender™3Dのシステム構成

 VRender™3Dの中核を担うCPUにはARM社のコア「920T」を採用した。このほかに,3次元および2次元のグラフック・アクセラレータ,ビデオ・プロセッサ,ウェーブ・テーブル方式のシンセサイザ,DDR SDRAMにも対応したメモリ・コントローラ,XVGA対応のディスプレイ・コントローラ,メモリ・カード・コントローラ,USBやI2C, UARTに対応したインタフェース回路などが同一チップに組み込まれている。集積した回路規模は600万ゲートに及ぶ。Windows CE, UC OS, Linuxなど様々なOSに対応可能だ。同システムLSIは,Samsung Electronics社の0.18μmCMOSプロセス技術を使って生産する。電源電圧はCPUコアが1.8V,I/O回路が3.3/2.5Vである。パッケージには400ピンのBGA(18mm×18mm)を採用した。

 機器の多機能化が進むとともに,ユーザーの使いやすさを追求するためにインタフェースなどに3次元グラフィックスを応用する機器が増えている。多機能と低価格を実現したMagicEyes Digital社のVRender™3Dが登場したことによって,こうした動きが加速するかもしれない。


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